うつ病と躁うつ病


うつ病の日本の生涯有病率(一生の間にかかる確率)は14%と言われています。
つまり知り合いが10人いたら、そのうちの1人くらいは一生のうちに一度はうつ病になると思っていいということです。
うつ病になった人の苦しみは、なかなか他人には想像ができないかもしれませんが、それでもうつ病の人が親戚、知人、友人でいるとしたら、その人を助けてあげたいと思いませんか?
まして、その患者がもし自分だったらスムーズに治療したいと思いませんか?

昨今、社会でも「うつ病」が認知され、以前と比べるとうつ病への偏見が減り、理解されるようになってきたと思います。
また本人も「これはうつ病かもしれない」と感じ、早めの治療するようになってきたのではと思います。
しかしそれでも、私の周りを見てみると、自分自身がうつ病だと信じたくなくて薬をもらおうとしない人、症状が重くても自力で治ると思っている人、病院に通っていることが知られるのが怖くて通えなかったり、専門医じゃない所で見てもらっている人達がいます。
まだまだ病気をほっておいても、なんとかなると淡い期待にすがりつくのが凡人の性です。

また同じように職場でもうつ病の人がいたらどうでしょうか。
見た目にその症状が他人にはわかりませんから、
  『体調のせいにしてさぼっているだけ』
  『仕事をしたくない言い訳を言っている」
  『根性がないから』
などと言ったりする人達がいます。

家族でも『つらくても仕事を辞めることは絶対に許さない』、頭ごなしに『とにかくがんばりなさい、世間体があるからうつ病なんて認めない』と言ったりする人達もいます。
うつ病の説明をしようとすると、かえって自分に都合のよい言い訳を言っているように受け取られることも多いです。

うつ病などの精神疾患というものが多くこの世に存在するという認識は広まりましたが、具体的な知識まではまだまだ広まっていません。
ですから、うつ病の具体的な実践的な知識を持っている人があまりに少なすぎます。
まだうつ病の治療に障壁があるなと実感しています。

一方、最近やっと注目され始めたのが「躁うつ病」です。
うつ状態と活動的になる躁状態が交互に繰り返される病気です。
単にうつ病に躁病が加わっただけで同じ病の一種だと思われがちです。

しかし躁うつ病は名前はうつ病に似ていますが、全く異なるメカニズムで発症する病気です。
うつ病は誰でも後天的になり得る精神疾患ですが、躁うつ病は先天的な精神病です。
だから、使う薬も全く違います。

躁うつ病にうつ病の薬を投与しても効果はないですし、うつ病に躁うつ病の薬を投与しても効果はありません。
効果がないよりも、むしろ逆効果があると言ってもいいでしょう。つまり、うつ病と躁うつ病を間違って対処をすると、病気が治るどころか、ますます症状が重くなる可能性があるのです。
ですから、うつ病なのか躁うつ病なのかという見極めがものすごく大事なのです。

しかし、躁うつ病の中でも波が小さいものは、本人からも周りから見ても、たまに調子を崩すという感じにしか見えないので、躁うつ病とは気づきにくいのです。
躁うつ病の知識を身につけることで、自分自身も周りも早くに気づくことができるようになります。

このサイトの知識が、うつ病や躁うつ病の治療のお役に立てれば幸いです。